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1.システム企画

安全なシステムを導入するためには、システム開発企業と適切に連携する必要がある。そのための手順や取り決めについて学んでいく。

要求分析

ビジネスを実現するために、どのようなシステムが必要なのかを分析する段階のこと。利用者が求めるシステムの機能や、システムによって実現されるべき目標を定める。

要件定義

要求を満たすシステムの機能・仕様と、システムを導入した後の業務の手順・ルールを定め、利害関係者間で合意を形成する段階。要件の詳細は下記の通り

機能要件

システムに求められる機能の要件。処理内容・画面表示・帳票形式など

非機能要件

システムに求められる、機能要件以外の要件。パフォーマンス品質、開発言語、作業手順、災害対策など。

セキュリティバイデザイン

情報システムを企画・設計する段階から、情報セキュリティを確保するための方策のこと。後付けではなく、設計段階からセキュリティ対策に取り組むことにより、安全で手戻りが少なく、コストのかからない情報システムを構築できる。

調達

一般企業がITベンダーに対してシステムの開発を依頼すること。基本的な手順は以下の通り

・RFIの提示

調達先の選定のため、ITベンダーに対してシステム化の目的や業務内容を共有した上でRFI(Request For Information)を提示し、ITベンダーに対して開発実績や提供可能な製品、サービスなどについての情報提供を依頼する。

・RFP、RFQの提示

調達先選定のため、開発してほしいシステムと条件を示したRFPとRFQをベンダーに提示し、提案書・見積書の提出を依頼する。

・調達先の選定

ITベンダの提出した提案書・見積書から、システムの確実性、費用、納期などをもとに調達先を選定する。

・契約の締結

選定したベンダーと契約について交渉し、システム・費用・納期・役割分担などについて文書で確認し、契約を締結する。

2.企業活動

情報セキュリティ対策は、企業を存続させるために行われる。企業の存続のために用いられる計画と、企業の財政面の状態を知るための会計について学ぶ。

組織形態

業務を効率的に行うため、異なる組織形態を使い分ける。代表的な組織形態は以下の通り。

職能別組織

営業部、総務部、人事部など、業務内容の専門性をもとに機能を分けた部門をもつ組織。専門的に業務を行えるため効率が良い反面、部署間の連携がしにくくなる。

プロジェクト組織

ある問題を解決するため、各部門から専門家を集めて結成し、問題の解決とともに解散する組織。専門的な業務を素早く行える一方、業務で得た経験や知識が組織に蓄積しにくい。

マトリックス組織

従業員が職能部門とプロジェクト部門の両方に所属する組織。両者の利点が得られる一方で、複数の指揮系統に影響を受けることにより、混乱を招くことがある。

事業部制組織

製品別・地域別に担当する組織を構成し、その組織に経営責任をもたせた独立採算制の組織。各事業部ごとに素早い意思決定が行える一方で、企業全体としての方針を統一しにくくなる。

カンパニ制組織

1つの企業のように権限と責任を委譲した組織。社内分社。事業部制組織よりも独立性が高く、人事・投資・財務の権限を持つ。

社内ベンチャ組織

新規に有望な事業を育てる目的で、企業の中で新規事業を起業したかのような形態で行う組織。大企業の経営資源を利用できる一方、実際の起業に比べてチャレンジ精神に欠けることがある。

事業継続計画

緊急時の対応を事前に文書化しておくことで、情報セキュリティ事故・自然災害・サイバーテロなどの予期しない事態が発生した際に、被害の拡大を防ぎ、早期に復旧することができる。

表:緊急時の計画

事業継続計画災害・事故発生時に、基幹業務の継続を目的とした対応計画
緊急時対応計画災害・事故発生時に、被害拡大の防止や早期のお復旧を目的とした対応計画
事業継続管理事業継続計画の策定から、導入・運用・継続的改善を行うマネジメント

企業会計

起業に適用される会計のこと。企業の現状を数値によって外部に示したり、自社で分析するために用いられる。

企業会計は目的によって財務会計と管理会計に分けられる。

・財務会計:

商法・法人税法・金融商品取引法に準拠する会計のこと。会計基準に基づいて実施される必要がある。

・管理会計:

経営層が自社の分析や意思決定に活用する情報を提供するための会計のこと

企業の業績・経営状況を数値をもとに分析するために作成される書類として、財務諸表がある。企業における健康診断のように使われる。主な財務諸表は以下。

表:主な財務諸表

損益計算書企業の一会計期間内の利益を示す。企業のどの部門でどのくらい利益(損失)を出したのかが分かる。利益の質を分析できる
貸借対照表企業の一定時点における財政状態を示す。資金をどう集め、資産としてどう保有したのかがわかる。経営の質を分析できる。
キャッシュフロー計算書企業の一会計期間の現金収支を示す。企業の支払い能力の大きさを、営業活動・投資活動・財務活動の3視点から分析できる。
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